T.R × O.R × T.N
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エンジニアリング事業部

可能性を見逃さず、
ゼロから築いた新技術

孔加工漏れ検査ソフト
「PicVeri」開発の舞台裏
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挫折からの再起 〜オフショア開発から独自開発への転向〜
T.R
今日は、私たちが開発した孔加工漏れ検査ソフト「PicVeri」の舞台裏を振り返りたいと思います。そもそも、このプロジェクトは約2年前に始まったもので、4人のチームで取り組みました。きっかけは、ダイカスト金型の母型加工を専門とする「アミックス」という会社から相談があったことからのスタートです。「母型」というのは、製品を作る時の型を固定するための土台のようなもので、無数の穴が開いているんです。従来、人間の目視による手作業で穴の加工漏れをチェックしていたんですが、穴の数が膨大なため、どうしても見落としが発生してしまう。アミックス社では長年その課題に悩まされていて、いろんな方法を試してきたけれど、なかなか解決策が見つからなかったそうです。
O.R
それで、「写真撮影と画像解析を使って自動的に検査できないか」という話になったんですよね。
T.R
そうです。最初はオフショア開発で進めていき、ある程度形になった段階でお客様に提案をしたんですが、ご期待に沿えず、一旦プロジェクトが終了してしまったんです。でも、せっかくここまでやったんだから、後学のためにも何か新たに得られるものがあるかもしれないと思って、社内で独自に開発を続けてみることにしたんです。その際、たまたまO.R君が数学を専攻していて、こうした分野が得意そうだったので、やってみてもらうことにしたんですよね。
O.R
そうでしたね。僕はT.Rさんから開発の概要を聞いた時、「うまいことやればできそうだな」という手応えがあって、面白味を感じました。それで、最初はとりあえず写真を撮ってみて、奥行き部分がどういう風に見えるかを実験しながら進めていったんです。そもそも、写真というのは3Dの物体を2Dに変換するため、奥行き部分の情報が失われてしまうという根本的な問題があるんですよ。でも、カメラの位置や角度がわかれば、実際の3D座標と写真上の2D座標の対応関係を数学的に計算できるはずだと考えました。
T.R
その頃から「なんとなくいけそうだな」という感触が出てきたんですよね。
O.R
そうそう。それで画像処理の部分を調べたり、CADデータから穴の情報を読み解く作業も同時に進めていきました。ただ、世の中にはCADデータから穴の情報を読み解こうとしている人があまりいなくて、「このパラメータがここに効いている」みたいなことを一つ一つ調べていくのはかなり大変な作業でした。
T.R
その後、お客様に改めて提案したら正式発注をいただけて、その時点でT.N君にも開発チームに加わってもらったという経緯でしたね。
未知の領域に挑む 〜CADデータとの格闘〜
T.R
T.N君は、参加してみてどうでした?
T.N
正直言って、最初は何をやればいいのかよくわからなくて戸惑いました(笑)
T.R
確かにそんな様子だったよね。でも、本当によくやってくれたと思うよ。中でも特に苦労したのはどの部分だった?
T.N
やっぱり、CADデータを読み解く作業ですね。図面データから穴の情報を抽出するんですが、これが本当に大変で。
O.R
僕も手伝ったけど、あれは難しかったですよね。
T.N
社内に知見のある人がいないのはもちろん、インターネットで調べても情報がほとんどない状況だったんです。
O.R
CADファイルの仕様書って、本当に作った人にしかわからないような内容なんだよね。
T.N
そうなんです。だから、ひたすらトライアンドエラーの繰り返しでした。一つずつパラメータを変えて、「この値を変えると穴の大きさがこう変わった」というように、手探りで仕組みを解明していくしかない状況でした。
T.R
途中で心が折れそうになることはなかったのかな?
T.N
正直、諦めたくなることもありましたよ。特に3Dファイル対応の時は相当めげましたね。
T.R
あぁ、あの時は本当に大変でしたね。
T.N
最初に考えていた手法で「これで何とかいけるだろう」という自信があったんですが、実際にやってみたら全く通用しなくて。「もう、全然ダメじゃん…」とガックリきました(笑)。
O.R
でも、そこからの切り替えが素晴らしかったよね。
T.N
1からアプローチを考え直さなければならなくなった時は、正直「うーん」と唸りっぱなしでした。でも、諦めの境地に立ちながら無心でファイルの中身をじっくり眺めていたら、不思議と糸口が見えてきたんです。
O.R
アプローチの仕方を変えたのが良かったんだよね。
T.N
そうなんです。最初は「サークル」という要素名だけを検索して、穴の情報を部分的に取り出そうとしていたんですが、それだと全体の構造が見えてこなくて。そこで発想を転換して、STEPファイル全体の構造を最初から順番に解析していく方法に変えたら、うまくいったんです。STEPファイルの構造について理解が深まったことで、「これなら色々応用できそうだ」という希望が見えてきました。最初は何が書かれているのか全くわからない状態で、どこから手をつけていいのかも分からなかったんですが、今では問題が出てきても「こういう手順で解決できるだろう」という道筋が頭に浮かぶようになりました。
O.R
開発の仕事をしていると、そういうことって意外とあるよね。最初は局所的なところから始めるんだけど、結局は全体を見た方がいいんだと気づく瞬間がある。でも、T.N君の頑張りで、こうして形になって本当に良かったです。
T.R
私は様子を見守ることくらいしかできませんでしたが、チームのみんなが本当によく頑張ってくれましたね。
T.R × O.R × T.N
結束の力 〜チームワークが生んだ成功の方程式〜
T.R
このプロジェクトを振り返ってみて、チームワークはどうでしたか?
O.R
すごく良かったと思います。例えば、T.N君の良いところは、わからない時に「わからない」としっかり言ってくれることでした。一人で抱え込まず、適切なタイミングでヘルプを求めてくれるので、チーム全体で問題解決に取り組むことができたんです。
T.N
それは、先輩方が困った時にはしっかりと対応してくれる環境があったからですよ。何度トライしても思うような結果が得られなくて投げ出したくなった時でも、「どうしたらいいかもうわかりません」と正直に相談すれば、一緒に考えてくれるという安心感がありました。
T.R
T.R
今回は4人のチームでしたが、それぞれが異なる特徴を持っていて、非常に良いバランスで開発に取り組めたと思います。
まず、O.R君は数学の専門知識を活かして、画像処理の理論面を担当してくれました。技術的な壁にぶつかった時の相談役として、理論的なアドバイスをしてくれる存在でしたね。
T.N君は、本当に粘り強く実装を担当してくれました。CADファイルという未知の領域で、誰も知見のない中をひたすらトライアンドエラーで切り開いていく。そういう地道で根気のいる作業を最後まで諦めずにやり抜いてくれました。
そして、もう一人のメンバーは、設計面で力を発揮してくれました。彼はとても緻密なタイプで、細かいところからしっかりと組み上げていくスタイルをずっと崩さなかった。設計の段階で非常にしっかりとした土台を作ってくれたおかげで、その後の開発がスムーズに進んだんです。
こうしてみんなが自分の強みを活かしながら、お互いを補完し合える関係性ができていたことが、このプロジェクトの成功要因だったと思います。
O.R
それに、T.Rさんのマネジメントも絶妙でしたよ。無理に指示を出すのではなく、それぞれの様子を見守りながら、必要な時にサポートしてくれましたよね。
T.R
いやいや、私はたいしたことをしていませんが、こうしたチームワークがあったからこそ、今回のような挑戦的な開発を成功させることができたんだと思います。
創造への情熱 〜ものづくりの魅力と、これからの挑戦〜
T.R
チームで開発することの楽しさはもちろんですが、そもそも開発という仕事自体に私は普段から面白みを感じています。「この仕事の魅力は?」と聞かれたら、お二人はどう答えますか?
O.R
自分が頭の中で考えたことをソースコードに落とし込んで、それが実際に動いた時の感動は格別ですね。「自分の考えが正しかった」という証明を得られた瞬間は、本当に嬉しいです。
T.N
私は、苦労した部分がうまくいった時に、自分の成長を実感できるのが魅力だと思います。
T.R
具体的にはどんな成長を感じました?
T.N
今回の開発では、アプリのUI部分からCADデータの処理まで、多方面で学ぶことができました。自分でも「だいぶ成長できたな」と実感できるし、それが次への意欲につながります。
T.R
なるほど。私はもともと「作るのが好き」という気持ちが根底にあります。何かを作って、それが動いた時の喜び…その瞬間の積み重ねが、この仕事を続ける原動力となっているように思います。二人はこれからどんな開発に挑戦したいですか?
O.R
O.R
当社には自社製品がまだまだ少ないと思うので、自社製品の開発に取り組みたいと思っています。ゼロから生み出すという経験をもっと積みたいですね。
T.N
僕も自社製品開発に興味があります。特にアプリ開発で、まだ経験したことのない技術にもどんどん挑戦していきたいです。
T.R
新しい技術がどんどん生まれるので、それに対応していかなければなりませんが、それも楽しみの一つだと私は思います。今回の経験があったから、なんでもできる気がしますよね。
T.R × O.R × T.N
開発者に求められる資質 〜理想の開発者像とは〜
T.R
これから当社の開発部門を担う人たちにどんどん入ってきてもらいたいものですが、そもそもどんな人が開発の仕事に向いていると思いますか?
O.R
開発の仕事には、粘り強さや挑戦する意欲だけでなく、コミュニケーション能力も必要ですよね。自分の考えを説明する力、そしてT.N君のように適切なタイミングでヘルプを求められる率直さ。それに、この仕事はチームでの開発が基本なので、協調性も重要だと思います。
T.N
そうですね。あとは、ものづくりに興味がある人が向いていると思います。といっても、別に何かのマニアである必要はなくて、むしろ興味を広く浅く持って、いろんなことを知りたいという好奇心があるスタンスの方がいいんじゃないかな。
T.R
T.R
確かに、そんな人材が新たに入社してくれるといいですね。最後に、会社の魅力についても聞いてみたいんですが、O.R君はどう思う?
O.R
当社は浜松の大きな企業とのつながりがあるので安定性がありながらも、新しい挑戦も積極的に行っている会社だと思います。「安定」と「挑戦」の両方が備わっていますよね。
T.N
それに、メリハリのある人が多いのも魅力です。真面目にやる時は徹底的にやるけれど、普段は結構ざっくばらんで、ふざけたりする時もあって(笑)。アイデアを出し合う時には、思い切った発想も歓迎してくれる雰囲気があります。
T.R
私は、いい意味で「ゆるい」社風だと思います。適度な緩さがあって、いろんな人を受け入れる懐の深さがある。みんなが自分らしくいられる環境が、結果的に良いものづくりにつながっているんじゃないでしょうか。今回のPicVeri開発を振り返ってみても、一旦は諦めた開発でしたが、それぞれが自分らしさを発揮しながらチームが一丸となって再挑戦することで、革新的なソフトウェアを生み出すことができました。そこにあったのは、諦めない心と、お互いを信頼し合えるチームワーク、そして新しいことに挑戦する楽しさだったように思います。
O.R
そうですね。今後もそういう気持ちを大切にしていきたいですね。
T.N
今回の経験が、きっと次の挑戦にも活かせると思います。
T.R
これからも常に好奇心を持ちながら、当社ならではのチームワークを発揮して、さまざまな開発に挑戦していきましょう。